阪急蛍ヶ池駅の北東に、丘の斜面を開発して開かれた高級住宅街が広がっています。住宅街には現在も竹林や雑木林が散在しており、かつての面影をとどめています。

NEST刀根山はその住宅街の中心、丘の中腹に位置し、西側を見下ろせば、緑の絨毯のような手付かずの竹林を見渡すことができます。そしてその先には、大阪国際空港から離発着する旅客機の姿が見て取れます。

設計にあたっては、可能な限り住戸を西向きに配置し、リビングおよびバルコニーから竹林や空港の風景を楽しめるように配慮しました。
住む人や見る人に対して落ち着いた印象を与えるよう、緑地帯を設け壁面をセットバックしたほか、木格子の引戸を設置し、土粘レンガ調タイルで外装を仕上げています。中庭には、在りし日の情景を想起できるよう竹株を配し、掘削工事で発生した残土を焼成したタイルを敷き詰めました。